肩の痛みで困っている方へ


肩が痛くて腕が上がらない、寝ている時に肩が痛くて目が覚めるといった症状に悩まれている方も多いと思います。

 

バークレー整形外科スポーツクリニックでは、医師による診察、薬の服用に関する的確なアドバイスや理学療法士による個別に合わせたリハビリテーションで膝の症状改善に繋げます。

 

このページでは、肩に痛みが現れる代表的な病気の症状、原因、病態、治療方法などを紹介していきます。

 

症状に思い当たる方は、当院へお越しください。

 

症状やケガからの回復、再発予防に取り組み、より笑顔で健康な生活のお手伝いをいたします。

 

※正式な原因や治療方法を判断するには医師による診察が必要になります。
あくまで目安としてお読みください。

 

○腱板断裂

○石灰沈着性腱板炎

○肩関節周囲炎(五十肩)

○肩関節脱臼

○変形性肩関節症

 
 
 


腱板断裂

けんばんだんれつ

 

【症状】

腕を動かす際に肩に痛みが出たり、ゴリゴリ音が出たりします。また、就寝時の肩の痛みも特徴です。

 

【原因・病態】

腱板とは、肩深部の4つの筋肉が腱になって集まって板状に肩関節を包んでいる部分です。

この腱板が損傷して、切れてしまっている状態を腱板断裂と呼びます。

 

腱板断裂が発生する原因は、いくつかあります。まず、加齢とともに腱板が痛んでくる加齢性変化があります。60歳以降になると急激に増えてきます。

また、肩をぶつけたり、転倒するなど外傷時に発生することもあります。

日常生活で重たいものを持ち上げたり、洗濯物を干そうと腕を上に伸ばしたときに発生したり、スポーツの繰り返し動作で発生することもあります。

 

【治療・対処】

保存療法(手術をせずにお薬とリハビリが中心の治療)と手術療法があります。

 

保存療法の目的は痛みの軽減と関節の柔軟性改善、筋力向上となります。肩関節だけでなく、肩甲骨や胸郭(肋骨周囲)の柔軟性を高めることも有効となります。

 

筋力向上は肩関節の外側の筋と内側(腱板)の筋のバランスを考慮しながら取り組みます。また、腱板を構成する4つの筋のうち断裂していない筋の機能を高めていくことも重要となります。

 

保存療法で症状が改善しない場合に手術療法が選択されます。

 
 
 


石灰沈着性腱板炎

せっかいちんちゃくせいけんばんえん

 

【症状】

肩の前方または後方に痛みを感じ、肩に力が入りにくくなります。突然、急激に強い痛みを生じることもあれば、徐々に痛みが蓄積していくこともあります。

 

特に夜間に痛みが強く、睡眠の妨げになることもあります。

 

また多くの場合は可動域が制限されます。髪をとく時、洗濯物を干す時、ベルトを通す時などに痛みとともに動きが制限されることが多くなります。

 

【原因・病態】

石灰沈着の発生機序は、完全に解明されているわけではありません。肩の深部にある筋肉(腱板と呼ばれます)の中に、カルシウム(石灰)が蓄積し肩に痛みが出ます。

 
 

【治療・対処】

内服治療、石灰部位への注射、石灰の吸引があります。

 

痛みが強い時期は安静が必要ですが、安静期間が長くなると肩の関節が動きにくくなる(拘縮)ので、関節の拘縮予防、筋肉の萎縮予防を目的にリハビリテーションを行いま

す。

 
 
 


肩関節周囲炎(五十肩)

かたかんせつしゅういえん

 

【症状】

特に思い当たるきっかけがなく、肩に痛みが発生し徐々に痛みが強くなることが多いです。肩の痛みとともに徐々に運動制限が出てきて、日常生活にも支障が出てきます。

 

【原因・病態】

発生のメカニズムは、いまだ明らかではありませんが、中年以降に発症することが特徴です。40代で発症した場合は四十肩、50代で発症した場合は五十肩と呼ばれます。加齢に伴い、肩関節を構成する骨、軟骨、靭帯・腱などが炎症を起こすことが要因と考えられています。

 

【治療・対処】

痛みが強い発症初期には、安静を保ちながら、消炎鎮痛剤の内服、注射などを行います。痛みが減少してきたら、温熱療法や運動療法などのリハビリを行い、関節拘縮の予防・改善を行います。

 

Q:五十肩はしばらく放っておけば治ると聞いたが、本当ですか?

 

A:そのような方もいらっしゃるかもしれませんが、発症した全員がそうとは限りません。痛みや肩関節の運動制限が長引く方もいらっしゃいます。自己判断での安静や運動により、症状が悪化したり長引くこともあります。可能な限り、早期に受診し、適切な治療を受けることが重要となります。

 
 

Q:五十肩になって3ヶ月が経ちました。いつ治りますか?

 

A:状態には個人差がありますが、約半年〜数年かかるといわれています。個人によって肩関節の運動制限の部位や方向が異なるので、お一人おひとりに合わせたリハビリが重要となります。

 
 
 


肩関節脱臼

かたかんせつだっきゅう

 

【症状】

肩関節の痛み、腫れが起こります。脱臼時に神経の損傷が起こりしびれを伴うこともあります。

ほとんどの場合、肩の前方向に脱臼します。稀に後方向へ脱臼することもあります。

 

【原因・病態】

肩関節は構造上不安定であるうえに、身体の中でもよく動く関節のなので脱臼しやすい関節です。

 

スポーツ中の激しい接触や事故、転倒時に手をついて発生することが多い原因です。

 

また、一度脱臼を起こすと、肩関節の構造上のストッパーが弱くなり、2回3回と繰り返し脱臼をしやすくなります。(いわゆる“クセ”になりやすい)

 

重度になると、くしゃみや背伸び、就寝中の寝返りなど日常生活のちょっとした動作で脱臼してしまうこともあります。

 

【治療・対処】

脱臼した関節を元の正しい位置に戻すこと(整復)が必要となります。無理やり関節を戻そうとすると、神経雨や血管を損傷してしまうこともありますので、整形外科を受診しましょう。

 

整復後は、リハビリテーションが重要です。安静固定する姿勢の指導、脱臼時に損傷した肩関節の深部にある筋肉のトレーニング、肩甲骨の柔軟性の改善などを行っていきます。

 

脱臼を繰り返す場合は、手術療法が必要になることもあります。

 
 
 


変形性肩関節症

へんけいせいかたかんせつしょう

 

【症状】

肩のこわばりや痛み、動かしにくさ(関節可動域制限)が症状として出現します。症状が進行すると、肩を動かしたときにゴリゴリと関節が擦れ合う音や振動を感じることがあります。関節可動域制限が進行すると着替えや家事など日常生活動作に支障をきたすようになります。

 

【原因・病態】

肩関節の軟骨がすり減って変形した状態を変形性肩関節症と呼びます。肩は膝関節や股関節のように常に体重がかかる関節ではないため、変形性肩関節症を発症する割合は高くはありません。
軟骨がすり減る原因には、腱板断裂や脱臼、骨折などにより関節リウマチ・骨折などがあります。

 

【治療・対処】

すり減った軟骨や骨は元には戻らないので、症状の進行を抑えるために肩の使いすぎを避けるようにします。

 

治療には保存療法(手術をしない療法)と手術療法があります。保存療法から治療を進めていきます。

 

保存療法では、鎮痛剤や注射にて痛みの軽減を図ります。リハビリテーションで関節可動域制限の改善や肩周囲の筋力トレーニングにて関節面のストレス軽減を図ります。また、就寝時の工夫や日常生活での肩の使い方の練習を行います。

 

手術療法は人工肩関節置換術があります。痛みの軽減には有効ですが、どの程度関節が動きやすくなるかは、変形の状態など個人差があります。